Japan's 100 Famous Mountains
深田久弥が選定した日本を代表する100の名峰。あなたはいくつ登頂しましたか?百名山とは →
礼文島と向き合う離島の独立峰で「利尻富士」の別名を持つ。山麓から山頂まで標高差1700mを一気に登るルートは上級向けで、コースタイムは往復約10時間。利尻山登山口(北麓)から長官山を経て山頂に至るピストンが一般的。アイヌ語「リイシリ(高い島山)」が地名の由来で、山頂は崩落が進む鋭い岩峰。イワベンケイ・エゾツツジ・チシマギキョウなど豊富な高山植物が山腹を彩り、海上に孤立した独立峰ならではの360度の大海原と礼文島・サハリンまで望む絶景が魅力。
世界自然遺産・知床半島の最高峰。ヒグマが多数生息する原始の森を抜けるルートは上級向けで、コースタイムは往復約10時間。羅臼温泉登山口から仙人坂・銀冷水を経て山頂へ至るピストンが主なルート。山頂からは知床連山の縦走路や国後島、根室海峡まで一望できる絶景展望台となる。アイヌ語「ラウス(低いところに骨がある)」が地名の由来とされ、ミヤマオダマキやホソバウルップソウなど貴重な高山植物が生育する原生自然の宝庫。
沢登りを楽しむ登山道で知られるオホーツク海に面した独立峰。清岳荘からの沢コースは滝と渡渉が連続する中級向けルートで、コースタイムは往復約7時間。沢沿いに一の滝・二の滝・三の滝と続く渓谷美が見事で、旧道の尾根コースとの周回が人気。アイヌ語「シャリ(葦原)」が地名の起源とされ、山頂からはオホーツク海と知床半島・阿寒の山々が一望できる。エゾノハクサンイチゲやチシマクモマグサなどの高山植物が岩場に咲き誇る独立峰ならではの山。
阿寒国立公園内に位置する活火山・雌阿寒岳を指すことが多く、噴気孔や硫黄の匂いが漂う荒涼とした火山景観が特徴的な中〜上級向けの山。オンネトーコース(往復約5時間)や野中温泉コース(往復約4時間)が整備されている。山頂部には複数の火口が連なり、コバルトブルーの火口湖と硫黄の噴気が印象的。エゾイソツツジ・コケモモ・ガンコウランが山肌を彩り、隣接する雄阿寒岳との縦走も可能。アイヌ文化の聖地としての歴史も深い。
アイヌが「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と呼んだ北海道最高峰・旭岳(2291m)を主峰とする広大な山塊。旭岳ロープウェイで標高1600m地点まで上がれ、初〜中級者でも山頂を目指せる。エゾノツガザクラ・チングルマ・メアカンキンバイなど豊富な高山植物が群生し、8月下旬には日本最初の紅葉が見られる。旭岳〜北海岳〜黒岳の縦走や、トムラウシ山への長大な縦走路は上級向け。広大なお花畑と火山性地形が織りなす風景は北海道屈指の絶景を誇る。
アイヌ語で「花の多い所」を意味する名を持つ孤高の名峰。短縮コースでも往復10時間超の上級向けで、トムラウシ温泉からの長大なルートは往復2泊3日が標準。チングルマ・エゾコザクラ・ハクサンイチゲのお花畑が高山帯に広がる北海道屈指の花の山で、ロックガーデンと呼ばれる岩稜帯も見どころ。大雪山とトムラウシ山の縦走は「北海道の背骨」とも呼ばれる上級者憧れのルート。山頂からはニペソツ山・大雪山系・十勝連峰が一望できる大パノラマが広がる。
噴気活動が活発な十勝連峰の主峰で、火山礫と噴気孔が続く荒々しい火山景観が広がる。望岳台からの往復コースは中級向けでコースタイム約6時間。富良野岳への縦走ルートも人気で、シナノキンバイ・イワブクロ・コマクサなどの高山植物が荒地に健気に咲く。1988年の噴火では火砕流が発生した活発な活火山で、山頂からは大雪山系や美瑛岳、遠く日高山脈まで見渡せる北海道らしい大パノラマが展開する。山麓の白金温泉や吹上温泉は登山後の湯治に最適。
日高山脈の最高峰で渡渉を繰り返す北海道第一の難峰。額平川の増水時は入山不可となり、コースタイムは2泊3日が標準の上級者専用ルート。七ツ沼カールに広がるお花畑(チングルマ・ハクサンイチゲ)と、カール底に点在する池塘の景色は山岳美の極致。ヒグマの生息密度が高く、熊鈴や対策が必須。アイヌ語「ポロシリ(大きな山)」が語源とも言われる。幌尻山荘を拠点に北カールを詰めて山頂に至るルートは、百名山中最も厳しい山行の一つと評される秘境の峰。
「蝦夷富士」と称される北海道最大の独立峰で、標高差1700mを一気に登る美しい円錐形の山体が印象的。真狩・喜茂別・京極・比羅夫の4コースから山頂を目指す中級向けのルートが整備され、コースタイムは往復約8時間。高山植物豊富なお鉢めぐりが山頂の醍醐味で、ミヤマアズマギク・シラネアオイ・メアカンキンバイが咲く。羊蹄山神社への信仰登山の歴史も古く、山頂火口は直径700mの巨大カルデラ。快晴時には支笏湖・洞爺湖・ニセコ連峰・積丹半島まで望める大展望が楽しめる。
「津軽富士」と呼ばれる青森県最高峰の独立峰で、岩木山神社の御神体として古くから崇拝される信仰の山。8合目まで自動車道が通じ、さらにリフトで9合目まで上がれるため初〜中級者でもアクセスしやすい。山頂直下は岩場が続き、岩木山神社奥宮が山頂に鎮座する。シラネアオイ・ミチノクコザクラ・ミネズオウなど豊富な高山植物が生育し、山頂からは津軽平野・日本海・北海道まで見渡せる絶景が広がる。旧暦8月1日の「お山参詣(オヤマサンケイ)」は青森県の重要無形民俗文化財。
青森市南に広がる複式火山群で、田茂萢岳・赤倉岳・井戸岳・大岳・小岳・高田大岳など複数の峰が連なる。日本有数のブナ原生林と湿原・池塘が美しい緑豊かな山域。ロープウェイを使えば山頂付近まで容易にアクセスでき、夏は初〜中級向けの縦走が楽しめる。1902年の八甲田雪中行軍遭難事件(陸軍第5連隊210名中199名死亡)で歴史に刻まれた山で、その悲劇は映画「八甲田山」にもなった。チングルマ・ワタスゲ・ニッコウキスゲが咲く湿原と、冬期の世界有数の積雪量による樹氷が観光名所。
溶岩台地の上に湿原や池塘が点在する緩やかな山で、初心者も安心して歩ける遊歩道が整備されている。アスピーテライン(八幡平樹海ライン)で山頂付近まで車でアクセス可能な百名山随一の手軽さ。ドラゴンアイとして知られる鏡沼の雪解け模様(6月頃)が春の名物で、チングルマ・ワタスゲ・ハクサンチドリが池塘を彩る。岩手県と秋田県の県境に位置し、周囲には後生掛温泉・松川温泉など名湯が点在する。焼山・茶臼山への縦走も可能で、遅い雪解けが作り出す湿原の景色は東北の山ならではの魅力。
「南部片富士」とも呼ばれる岩手県最高峰の活火山で、巨大なカルデラが山頂を囲む雄大な山容が印象的。柳沢コースや馬返しコースは中級向けで往復約8〜9時間。岩手山神社を起点とする山岳信仰の歴史も深く、山頂火口内には奥宮が鎮座する。コースタイムは登山口によって異なり、鬼又コースは最短で往復約6時間。ミヤマキンバイ・イワブクロ・コマクサが岩場に咲き、山頂からは早池峰山・姫神山・岩手山地が一望できる。網張温泉を起点とするルートは初〜中級向けで紅葉シーズンが特に美しい。
蛇紋岩地帯特有の高山植物の宝庫で、固有種ハヤチネウスユキソウをはじめナンブイヌナズナ・ナンブトラノオなど希少種が集中する北上山地の最高峰。小田越コースは中級向けで往復約5時間。河原の坊コースは往路に使えず小田越への下山のみ。平安時代から続く早池峰山神社(山頂・麓)への信仰の霊山でもある。荒々しい蛇紋岩の岩場が山頂まで続き、高山植物の密度は日本随一とも言われる。梯子・鎖場も多く整備され、遠野・宮古からのアクセスが一般的。6月下旬〜7月の花の時期が最盛期。
「出羽富士」と呼ばれる東北第二の高峰で、山頂部に万年雪と火口湖(鳥ノ海)を抱く活火山。鳥海山大物忌神社の御神体山として崇拝され、吹浦口・矢島口・象潟口など複数の登山口から中〜上級向けのルートが整備される。コースタイムは登山口によって往復6〜10時間。登山道沿いにはチョウカイアザミ(固有種)・チョウカイフスマ・ウサギギクなど高山植物が点在する。山頂からは庄内平野・日本海・月山・朝日連峰が一望できる大パノラマが広がり、雪渓歩きも楽しめる東北を代表する名山。
出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)の一つとして修験道の聖地に数えられ、月山神社が山頂に鎮座する信仰の山。月山スキー場リフトを利用すれば姥沢口から中〜上級向けのルートで山頂を目指せ、コースタイムは往復約5時間。羽黒口コースは片道約6時間の長大なルート。山頂直下には7月まで万年雪が残り、ウサギギク・ミヤマキンバイ・チングルマ・ハクサンイチゲなど豊富な高山植物が咲き誇る。平安時代から続く「月山登拝」の伝統は今も続き、白装束の修験者が絶えない。庄内平野と日本海を眼下に収める展望も素晴らしい。
朝日連峰の最高峰・大朝日岳(1870m)を中心に連なる山域で、日本有数の広大なブナ原生林と清冽な渓流が登山者を迎える。古寺鉱泉や大井沢、朝日鉱泉からの中〜上級向けコースが整備され、山中に避難小屋が点在するため2泊3日の縦走が標準的。ハクサンイチゲ・ニッコウキスゲ・ヒメサユリの花のじゅうたんが山頂稜線に広がる東北屈指の花の山。狐穴小屋・竜門小屋を拠点とする縦走は、日本最長級のブナ林歩きとして山岳ファンに人気が高い。山頂からは飯豊連峰・蔵王・月山まで見渡せる大展望が魅力。
「お釜」と呼ばれるエメラルドグリーンの火口湖が象徴の宮城・山形県境の活火山群。蔵王エコーラインと蔵王ハイラインで五色岳直下まで車でアクセスでき、お釜への散策は初心者向け。蔵王権現の霊山として修験道とも縁が深く、熊野岳(1841m)が最高峰。秋の紅葉と冬季の樹氷(スノーモンスター)は世界的な観光資源として知られる。刈田嶺神社が山頂付近に鎮座し、歴史ある信仰の山でもある。夏はミヤマリンドウ・ハクサンチドリが咲く高山植物の宝庫で、蔵王温泉を起点とする縦走コースも整備されている。
豊富な雪解け水が育む広大なお花畑が山頂稜線に広がる東北の信仰の名山。飯豊山神社を祀る信仰の山として古くから崇拝され、コースタイムは最短でも2泊3日が必要な上級向け縦走。川入登山口(弥平四郎)からのルートが一般的で、種蒔山・切合小屋・本山小屋を経て山頂を目指す。ヒナウスユキソウ・イイデリンドウ・タカネマツムシソウなど固有植物も見られる花の名山。稜線上に点在する雪田が真夏でも涼しい山上を演出し、大日杉口からの長大なルートは健脚者向け。山頂からの展望は遠く磐梯山・蔵王山まで及ぶ。
西吾妻山(2035m)を最高峰とする磐梯朝日国立公園内の火山群で、高山湿原に池塘や火山湖が点在する変化に富んだ山域。西吾妻スキー場のロープウェイ・リフトを利用すれば初〜中級者でもアクセス可能でコースタイムは往復約3〜4時間。ニッコウキスゲ・コバイケイソウ・ワタスゲの群落が美しく、天元台高原を起点とした周回コースが人気。吾妻小富士(中吾妻山付近)の火口は観光スポットとしても有名。浄土平から一切経山・東吾妻山への縦走も整備されており、四季を通じて多様な登山スタイルが楽しめる山域。
高村光太郎の詩集「智恵子抄」で「ほんとうの空」と詠まれた名峰。ロープウェイを使えば薬師岳から山頂を目指す初〜中級向けのコースでコースタイム往復約4時間。火山性ガスが噴出する沼ノ平の荒涼とした景観(立入禁止)が印象的で、鉄山・矢筈森を経る縦走も楽しめる。岳温泉・二本松市からのアクセスが便利で、山頂の乳首岩は信仰のシンボル。シャクナゲ・ミネズオウ・イワカガミなど高山植物も豊富。山頂からは吾妻山・磐梯山・飯豊連峰が一望でき、麓の岳温泉や奥岳温泉は登山後の湯治に最適な名湯として知られる。
「会津富士」と称される東北有数の名峰で、1888年の大噴火(磐梯山大噴火)で山体崩壊が起こり北側が削られた現在の姿になった。その噴火で生まれた裏磐梯の五色沼・桧原湖など湖沼群が美しい。磐梯山慧日寺(空海が創建)が開いた信仰の歴史も深く、猪苗代登山口や八方台からの中級向けコースが整備されている。コースタイムは往復約5〜7時間。ミヤマリンドウ・コマクサ・イワカガミなど高山植物も豊富で、山頂からは猪苗代湖・会津盆地・吾妻連峰・飯豊連峰の大パノラマが広がる。
南会津の最高峰で山頂付近に広がる湿原が美しく、ミヤマリンドウ・ワタスゲ・チングルマが咲き誇る花の山。滝沢登山口からの中級向けコースはコースタイム往復約7時間。豪雪地帯ならではの遅い雪解けが高山植物を育み、7月でも雪渓が残る。駒の小屋(山頂直下の避難小屋)を拠点に周囲の中門岳・駒ノ大池への散策も人気。中門岳へは往復約1時間の稜線歩きで、池塘と草原が連続する楽園的な景観が広がる。檜枝岐村からのアクセスが一般的で、快晴時には燧ヶ岳・尾瀬の山々も見渡せる。
茶臼岳(1915m)を主峰に活発な噴気活動が続く那須連山の総称。那須ロープウェイを利用すれば山麓駅から中級向けのコースで山頂を踏め、コースタイムは往復約2時間と手軽。那須温泉神社を起点とする信仰登山の歴史は古く、江戸将軍も湯治に訪れた名湯の地。朝日岳(1896m)周辺の岩場は上級向けで鎖場も多い。姥ヶ平のニッコウキスゲと紅葉は東北随一の美しさを誇る。山頂からは日光連山・会津の山々・関東平野が一望でき、那須連峰縦走は茶臼岳〜朝日岳〜三本槍ヶ岳(1917m)への中〜上級向けルート。
「魚沼駒ヶ岳」とも呼ばれる越後三山(越後駒ヶ岳・中ノ岳・八海山)の盟主。枝折峠からの縦走路は上級向けで、道行山・小倉山を経て山頂に至るコースタイムは往復約9時間。豪雪地帯ならではの急峻な地形と雄大な展望が魅力で、山頂稜線にはシャクナゲとハクサンコザクラが咲く。山頂直下の駒ノ湯からのルートも利用でき、駒の小屋(山頂直下)が宿泊拠点となる。山頂からは中ノ岳・八海山・守門岳・会津駒ヶ岳まで見渡せる。枝折峠では雲海から突き出る朝日に染まる越後駒ヶ岳の絶景が見られることでも知られる。
深田久弥が「高山植物の天国」と絶賛した新潟・群馬県境の山。最短でも往復10時間超の上級向けで公共交通機関もなく、百名山随一のアクセス難を誇る。鷹ノ巣登山口から池ノ岳・玉子石を経て山頂に至るルートはコースタイム往復約10〜12時間のピストン。玉子石と池塘(姫池)の織りなす景色は独特の美しさ。ハクサンコザクラ・チングルマ・ワタスゲなど豊富な高山植物が池塘周辺に群生する。プリンスルートと呼ばれる短縮コース(奥只見から船を使う)は体力的に少し楽だが、いずれも山小屋なし・公共交通なしの完全自力山行が必要。
越後の名峰で山頂付近に池塘と草原が広がる山上楽園が人気。桜坂登山口から割引岳・牛ヶ岳へ続く稜線は中級向けで、コースタイムは往復約8時間。古くから機織りの神として信仰を集めた歴史ある山で、山名はかつて巻機山に機織りの神が宿るという伝説に由来する。ニッコウキスゲ・ハクサンコザクラ・チングルマが山頂部の湿原を彩り、ワタスゲの綿毛が風に揺れる初夏が特に美しい。割引岳(1931m)は巻機山の前衛峰で展望に優れ、牛ヶ岳(1961m)への稜線漫歩も楽しめる。麓の六日町・塩沢からのアクセスが一般的。
東北最高峰で尾瀬国立公園の最高点に立つ双耳峰(柴安嵓2356m・俎嵓2346m)。柴安嵓からは尾瀬ヶ原の湿原と至仏山が一望でき、御池・沼山峠からの中級向けコースが整備されている。コースタイムは御池から往復約7時間。ナデッ窪コースや見晴新道など複数のルートがあり、コースによって印象が大きく異なる。ミズバショウ(尾瀬ヶ原)とニッコウキスゲの名所としても有名で、尾瀬沼からの反射する燧ヶ岳の姿は絵になる風景。沼山峠から入山すると尾瀬沼の湖畔を経由する変化に富んだルートが楽しめる。
尾瀬ヶ原の西に位置する蛇紋岩の山で、岩質に適応したオゼソウ(固有種)・ホソバヒナウスユキソウ・タカネバラなど固有・希少植物の宝庫。山ノ鼻から山頂を経て鳩待峠へ抜けるルートは中級向けで、コースタイムは約5〜6時間。登りのみの一方通行規制があり(植生保護のため)、ルートの選択に注意が必要。蛇紋岩特有の白い岩場には専門化した植物が点在し、植物学的に価値が高い山。山頂からは尾瀬ヶ原・燧ヶ岳・日光白根山が一望でき、残雪期には雪山ハイキングの山としても人気が高い。
「トマの耳・オキの耳」の双耳峰で知られる上越国境の名峰で、岩壁での滑落・遭難者数は世界有数として知られる。谷川岳ロープウェイを使えば天神尾根から中級向けのコースで山頂を踏める(往復約5時間)。西黒尾根からの直登は鎖場・岩場が連続する上級向けで、コースタイムは往復約7時間。アカヤシオ・シャクナゲ・イワカガミが岩場を彩り、紅葉シーズンは特に美しい。一ノ倉沢の断崖は日本最大の岩壁として世界的なクライマーの聖地。馬蹄形縦走(白毛門〜朝日岳〜谷川岳〜一ノ倉岳〜茂倉岳)は上級向けの人気コース。
新潟・長野の県境に立つ双耳峰で、山頂の笹平湿原とハクサンコザクラのお花畑が美しい。小谷温泉からの中級向けコースはコースタイム往復約7時間。糸魚川側からの雨飾荘コースもあり、それぞれ異なる自然の魅力がある。山名の由来は「雨飾山(雨乞いの山)」説や「あめかざり(雨を飾る)」説など諸説ある。ブナ林・湿原・岩場と変化に富んだルートで、笹平の稜線に出ると突然広がるお花畑の景観が登山者を魅了する。山頂からは日本海・白馬三山・火打山・焼山が一望でき、周辺は秘湯と紅葉の名所として登山者以外にも人気。
山頂に広大な湿原台地を持つ独特な山容で、池塘とワタスゲ・チングルマ・イワイチョウが織りなす景観が見事な信仰の山。祓川コースは中〜上級向けでコースタイムは往復約9時間、かぐらスキー場コースは比較的短い往復約6時間。古くから越後の修験者が登拝した信仰の山で、山頂に雷電神社の祠が祀られる。霧に包まれた神秘的な湿原台地は「天上の楽園」とも呼ばれ、秋のナナカマドの紅葉も素晴らしい。山頂からは志賀高原・佐武流山・鳥甲山が見渡せ、小赤沢コースや神楽峰経由など複数のルートが楽しめる新潟・長野県境の名峰。
「越後富士」と呼ばれる端正な成層火山で、妙高山大権現として修験道の霊場として栄えた歴史を持つ。燕温泉(燕新道)または赤倉温泉(赤倉登山道)を起点とする中〜上級向けのコースがあり、コースタイムは往復約8〜9時間。鎖場・岩場が続く急峻なルートで、上部に差し掛かると荒々しい火山地形が広がる。妙高山大神の石碑が山頂に立ち、信仰の歴史を伝える。バンダイクワガタ・ハクサンコザクラ・ミヤマキンバイが岩場に咲き、山頂からは新潟平野・火打山・高妻山・日本海まで望める絶景が広がる関越屈指の名峰。
妙高戸隠連山国立公園の最高峰(2462m)で、「天狗の庭」と呼ばれる湿原はハクサンコザクラ・ワタスゲ・チングルマが咲き誇る花の楽園。笹ヶ峰登山口からの中級向けコースはコースタイム往復約9時間で、高谷池ヒュッテが宿泊拠点。ライチョウの生息地として保護されており、運が良ければ出会えることも。妙高山との縦走(火打山〜妙高山)は上級向けで人気の一泊二日コース。山頂からは北アルプス・妙高山・雨飾山が一望できる大パノラマが広がり、黒沢池湿原の池塘と草原の景観も見事。秋の紅葉時期は特に美しい山として知られる。
戸隠連峰の最高峰(2353m)で「戸隠富士」の別名を持つ鋭い山容が印象的。修験道にちなんだ一不動から十阿弥陀の石仏が連なる登山道が有名で、中〜上級向けのコースタイムは往復約9〜10時間。弥勒尾根コースと一不動コースがあり、前者は尾根歩き、後者は沢・滝沿いのルートで変化が楽しめる。不動滝・帯岩・胸突キ八丁など難所を越えて高妻山を目指す縦走は体力・技術ともに求められる。山頂からは戸隠山・飯縄山・黒姫山・妙高山が一望できる展望台となっており、ハクサンイチゲ・ミヤマダイコンソウが高山帯に咲く。
中禅寺湖北岸に聳える日光を代表する円錐形の火山で、二荒山神社の御神体山として奈良時代の782年・勝道上人の開山以来1200年の信仰登山の歴史を持つ。5〜10月のみ登山が許可される中級向けの山で、登山口(二荒山神社中宮祠)からコースタイム往復約7時間。山頂に二荒山神社奥宮が鎮座し、今も多くの参拝者が訪れる。オオカメノキ・ミツバツツジ・ミヤマホツツジが登山道を彩り、山頂からは中禅寺湖・戦場ヶ原・白根山・日光連山の大パノラマが展開する。かつては女人禁制の霊山だったが明治以降は解禁されている。
関東以北の最高峰(2578m)で荒涼とした岩稜帯とコバルトブルーの五色沼が対照的な活火山。丸沼高原ロープウェイを使えば初〜中級向けでコースタイム往復約4時間。奥白根山頂からの360度の展望は関東随一で、尾瀬・日光・上越の山々が見渡せる。菅沼・弥陀ヶ池からのコースは中〜上級向けで多様なルートが整備されている。コマクサ・シャクナゲ・イワカガミが岩場に生育し、高山植物の宝庫としても知られる。白根山弥陀ヶ池や五色沼は氷河時代の名残を持つ神秘的な湖沼群で、湖面に映る青空と白い岩肌のコントラストが絶景。
日光国立公園内の深山に位置する難峰で、庚申山(1892m)から鋸山(1998m)を経て山頂へ至る一泊二日の縦走コースが知られる上級向けの山。銀山平・栗原川から入山するコースもあるが、いずれも長大なアプローチを要する。コースタイムは最短でも1泊2日が必要。庚申山荘が前夜の宿泊拠点で、鋸山の岩稜帯を超えるルートは高度な技術を要する。古くは修験者が修行した霊山としての歴史を持ち、庚申山には猿田彦神社の石祠が点在する。山頂からの展望は限られるが、深山の孤峰として百名山中屈指の秘境感が魅力。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の伝説に由来する山名を持つ上州の名峰。剣ヶ峰山(2020m)・家の串(2103m)・沖武尊(2158m)など複数のピークが連なる中〜上級向けの縦走路が整備されている。川場スキー場リフトを利用した川場谷コースが最も利用されており、コースタイムは往復約5〜7時間。山頂部ではオオシラビソ・シラビソの針葉樹林が続き、ハクサンイチゲ・ミヤマキンバイが岩場に咲く。武尊神社(武尊田代)を起点とする信仰の歴史も持ち、山頂からは谷川岳・至仏山・皇海山などの上州の山々が見渡せる。
上毛三山の一つで関東平野の北端に広がる盾状火山。黒檜山(1828m)・駒ヶ岳・地蔵岳・荒山・鍋割山など複数のピークが点在するカルデラ地形。大沼・小沼・覚満淵などのカルデラ湖が点在し、赤城神社が大沼湖畔に鎮座する歴史ある信仰の山。黒檜山への登山道は初〜中級向けで往復約2時間と手軽。アカヤシオ(4月)・レンゲツツジ(6月)・紅葉(10月)と四季折々の花と色彩が楽しめる。山頂からは赤城カルデラ・尾瀬の山々・日光連山・関東平野が一望でき、日光や草津白根山への縦走口としても機能する上州の名山。
草津温泉の背後に聳える活火山で、強酸性の火口湖「湯釜」は世界有数の酸性度(pH0.6前後)を誇る。火山活動の状況によって入山規制が頻繁に変わるため、事前確認が必須。草津白根山のコマクサ群落は県内屈指の規模で、白根火山ロープウェイ(現在廃止)跡地付近に群生していた。2018年噴火以降、周辺エリアの入山規制が続いている。本白根山(2171m)が最高点で、最高点付近は登山規制の影響を受けにくい。志賀草津高原ルート(道路)沿いの火山景観は壮観で、万座温泉・草津温泉など著名温泉地が山麓に点在する観光エリア。
上信国境の最高峰(2354m)で「あずまやさん」とも読む独立峰。菅平牧場からの中級向けコースはコースタイム往復約6時間で、四阿高原の広大な草原を抜けて登るルートが一般的。根子岳(2207m)との縦走も人気で、登山者に親しまれている。吾妻神社が山頂付近に鎮座し、吾嬬山(あずまやま)として古代から信仰の対象だった歴史を持つ。山頂部からは浅間山・草津白根山・北アルプス・上越の山々が一望できる大展望台。ミヤマシオガマ・コマクサ・ハクサンフウロが稜線に咲き、根子岳との周回コースは変化に富んだ充実した山行が楽しめる。
今も活発な噴火活動を続ける日本を代表する活火山で、江戸時代の1783年天明噴火は「天明の大飢饉」の一因となった大噴火。火山規制により山頂(釜山2568m)への立入は制限されることが多く、前掛山(2524m)までが一般登山の目標。火山監視センターが常時監視し、噴火警戒レベルに応じて入山規制が変わる。車坂峠(チェリーパークライン)からの中〜上級向けコースはコースタイム往復約7〜8時間。コマクサの大群落が前掛山周辺に広がり、山頂からは八ヶ岳・富士山・北アルプス・関東平野が一望できる。浅間大社・浅間神社が山麓に点在する信仰の山。
万葉集に歌われた「西の富士、東の筑波」の名山で、男体山(871m)・女体山(877m)の二峰に筑波山神社を祀る信仰の山。関東平野に孤立する独立峰で、霞ヶ浦や東京スカイツリーまで見渡せる展望台として人気。ロープウェイやケーブルカーで山頂近くまで行け、初心者・家族連れでも気軽に登れる関東の入門的な山。御幸ヶ原コース・白雲橋コース・迎場コースが整備されており、最短コースはコースタイム往復約3時間。ガマの油(ガマ石)・弁慶七戻り・屏風岩など奇岩・巨石が点在し、ユキワリソウ・カタクリが春の登山道を彩る古来より親しまれた名峰。
後立山連峰の最高峰(2932m)で白馬大雪渓(日本三大雪渓の一つ)が有名な高山植物の宝庫。ウルップソウ・シロウマアサツキ・タカネマツムシソウなど希少な高山植物が群生し、固有種の多さは日本屈指。猿倉(1250m)から白馬大雪渓を登るコースは中〜上級向けでコースタイム往復約10時間(白馬岳頂上宿舎・白馬山荘が宿泊拠点)。唐松岳〜五竜岳への縦走や杓子岳・白馬鑓ヶ岳の白馬三山縦走(1泊2日)が人気。白馬鑓温泉(2100m)は日本有数の高所温泉で登山者に人気。山頂からは富山湾・日本海・立山・剱岳が一望できる大展望台。
後立山連峰に位置する岩稜の名峰(2814m)で、山頂付近の「武田菱」の雪形が春の遠見尾根から見えることで知られる。アルプス平ゴンドラを利用した遠見尾根コースが一般的な中〜上級向けルートで、コースタイムは往復約8〜9時間。五竜山荘(2490m)が宿泊拠点で、鹿島槍ヶ岳へのキレット越え縦走は上級向け。白岳(2541m)から山頂への岩稜歩きが核心部で、鎖場・岩場が連続する。ハクサンイチゲ・コマクサ・タカネシオガマが高山帯に咲き、ライチョウが生息する。山頂からは剱岳・立山・鹿島槍ヶ岳・唐松岳と後立山連峰が一望できる爽快な展望が魅力。
後立山連峰の盟主(2889m)で南北二つの耳(南峰2889m・北峰2842m)を持つ双耳峰が美しい。カクネ里雪渓は日本有数の万年雪(永久凍土)として知られる貴重な雪渓。爺ヶ岳(2670m)を経由する扇沢・柏原新道からの縦走コースが一般的で、コースタイムは1泊2日(往復約12時間)の中〜上級向け。冷池山荘(2410m)が宿泊拠点で、五竜岳への縦走(キレット小屋経由)は上級向けの大キレット越え。ハクサンフウロ・ミヤマキンポウゲ・チングルマが稜線を彩り、山頂からは剱岳・立山・後立山連峰・富士山・南アルプスが一望できる絶景展望台。
「岩と雪の殿堂」と呼ばれる日本最難関の百名山(2999m)で、別山尾根の鎖場や難所(カニのタテバイ・カニのヨコバイ)は熟練者でも緊張を強いられる上級者専用の山。室堂から別山乗越を経て山頂を目指すコースタイムは往復約8〜10時間。古代から「針の山(鋒山)」と呼ばれ人が踏み込まなかった霊峰の歴史を持ち、1907年に柴崎芳太郎測量隊が初登頂した際に山頂から古代の鉄器が発見されたことは今も謎として残る。タカネツメクサ・ライチョウが生息し、立山・後立山・白山が一望できる山頂からの展望は北アルプス屈指の絶景。
富士山・白山と並ぶ日本三霊山の一つで、雄山神社峰本社(3003m)が山頂に鎮座する信仰の霊峰。立山黒部アルペンルートで室堂(2450m)まで容易にアクセスでき、チングルマ・ハクサンイチゲ・コバイケイソウのお花畑が見事。雄山(3003m)・大汝山(3015m)・富士ノ折立(2999m)の三峰からなる立山最高点は大汝山。室堂から雄山へのコースタイムは往復約4時間で初〜中級向け。大汝山から真砂岳・別山への縦走は中〜上級向けで剱岳展望の最良ポイント。立山信仰(立山曼荼羅・芦峅寺)は1000年以上の歴史を持ち、みくりが池・地獄谷など火山地形も豊富。
薬師如来を祀る信仰の山(2926m)で、山頂直下に太郎平カール・中央カール・金作谷カールの広大なカール地形が発達し、クロユリ・ハクサンイチゲ・コイワカガミなど豊富な高山植物が咲く。折立(1350m)からの中〜上級向けコースはコースタイム往復約10時間で薬師岳山荘(2701m)が宿泊拠点。太郎平小屋(2373m)が行動の中継点で、黒部五郎岳・雲ノ平・水晶岳への縦走路が整備されている。薬師如来堂が山頂に鎮座し、越中・飛騨の人々に古くから崇拝されてきた。山頂からは黒部川流域・立山連峰・後立山連峰が一望できる大展望台。
北アルプス中部に位置し、日本屈指の規模を誇るカール地形(黒部五郎カール)が特徴的な名峰(2840m)。五郎沢の浸食が生んだ広大なカール底にはお花畑(ハクサンイチゲ・チングルマ・クロユリ)が広がり、岩石が点在する絶景が展開する。コースタイム2泊3日以上の上級向け縦走に組み込まれることが多く、折立や新穂高を起点とするルートが一般的。黒部五郎小舎(カール底)が宿泊拠点で、三俣蓮華岳・双六岳・薬師岳への縦走路が整備されている。カール底からカール壁を登り詰める登山コースは北アルプスでも特に印象的なルートとして知られる秘峰。
「黒岳」とも呼ばれる北アルプス深奥の秘峰(2986m)で、高天原温泉(日本最奥の秘湯)へ続く縦走路上に位置する。四方を3000m級の峰々(鷲羽岳・祖父岳・赤牛岳)に囲まれた最奥地で、コースタイムは2泊3日以上の上級向け縦走が必要。折立または高瀬ダムを起点とするルートが一般的。黒部源流の源として黒部川最上流部に位置し、山頂からは野口五郎岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳が一望できる。ハクサンコザクラ・クロユリ・チングルマが短い夏に咲き誇り、ライチョウが生息する原始的な高山環境が保たれている北アルプス最深部の名峰。
北アルプス深部に位置し、山頂直下の鷲羽池越しに槍ヶ岳を望む絶景が有名な峰(2924m)。三俣蓮華岳(2841m)とセットで縦走されることが多く、コースタイムは2泊3日以上の上級向け。三俣山荘が山行の拠点で、水晶岳・双六岳への縦走路が整備されている。双六岳(2860m)経由の裏銀座コースは北アルプス深部を縦断する人気ルート。鷲羽岳の由来は「わしが羽根を広げたような山容」からとも言われる。コマクサ・ハクサンコザクラ・チングルマが夏の高山帯を彩り、鷲羽池(火口湖)は快晴時に槍ヶ岳を水面に映す北アルプス随一の絶景スポット。
鋭く天を突く三角錐の山頂(3180m)が北アルプスの象徴として君臨する名峰。上高地から槍沢を経るコースは中〜上級向けでコースタイム1泊2日(往復約14時間)。山頂直下の垂直に近い鎖場・梯子を上り詰めると達成感は格別で、山頂から俯瞰する槍沢・東鎌尾根・北鎌尾根の絶景は忘れられない光景。槍ヶ岳山荘が山頂直下に立ち、南岳・大キレット・北穂高岳への縦走は上級者向けの本格的な岩稜縦走。ヒュッテ大槍・天狗原経由の東鎌尾根コースも中〜上級向け。コマクサ・タカネスミレが岩場に咲き、ライチョウが生息する高山環境が発達している。
北アルプスの最高峰・奥穂高岳(3190m)を中心に前穂高岳(3090m)・北穂高岳(3106m)・西穂高岳(2909m)が連なる「岩の殿堂」。上高地を起点とする中〜上級向けの縦走路が整備され、涸沢ヒュッテ・穂高岳山荘が宿泊拠点として機能する。奥穂高岳への標準コースタイムは1泊2日(涸沢経由)。ジャンダルム(3163m)を経由した奥穂〜西穂縦走は日本最難関の一般登山道として知られ、上級者でも緊張を強いられる岩稜帯。コマクサ・クモマミミナグサ・ライチョウが生息し、山頂からは槍ヶ岳・剱岳・富士山・南アルプスが一望できる絶景。
安曇野から見える端正な三角形の山容が「常念坊」の伝説を生んだ北アルプスの名峰(2857m)。一ノ沢コースは中〜上級向けでコースタイム往復約10時間、三俣コースは上級向け。山頂からは槍・穂高連峰の大パノラマが広がり、北アルプスの展望台として人気が高い。常念小屋(常念乗越2466m)が宿泊拠点で、蝶ヶ岳(2677m)への縦走は一泊二日の人気コース。ライチョウ・イワヒバリが生息し、コマクサ・ハクサンイチゲ・イワキキョウが稜線に咲く。烏帽子岩の岩峰が山頂直下に連なり、大天井岳への縦走路(表銀座コース)の中継点でもある。
飛騨側から見た笠を伏せたような独特な山容が名の由来(2898m)。クリヤ谷コース(岐阜側)は上級向けの難ルートで往復2泊3日。笠新道コース(新穂高側)は急登が続く上級向けで往復約12時間。コースタイムは1泊2日が標準で、笠ヶ岳山荘(山頂直下)が宿泊拠点。山頂付近のコマクサ大群落と360度の展望(槍・穂高・白山・御嶽・乗鞍)が登山者を魅了する。鏡平山荘から双六岳経由の縦走路も上級向け。花崗岩の白い岩稜帯が続き、ライチョウ・イワヒバリが生息する。北アルプス随一のコマクサ群落は7月中旬〜8月に最盛期を迎える孤高の名峰。
北アルプスで唯一の活火山(2455m)で、1915年の大噴火で梓川をせき止めて大正池を誕生させた歴史的な山。上高地から見上げる硫黄臭漂う荒々しい山容は観光名所としても親しまれる。中の湯温泉からの中〜上級向けコースはコースタイム往復約7時間が一般的。上高地側の小梨平からの西穂高経由ルートは上級向け。硫黄の噴気孔が続く荒涼とした山頂部には北峰と南峰があり、北峰(2444m)が最高点となることが多い。コマクサ・イワツメクサが岩場に生育し、山頂からは上高地・焼岳・霞沢岳・六百山が一望できる。西穂高岳への縦走路は上級者のみが挑む難コース。
北アルプス南端の巨大火山(3026m)で、畳平バスターミナル(標高2702m)まで公共バスでアクセスできる百名山随一の手軽さ。畳平から剣ヶ峰まで初〜中級向けコースでコースタイム約1時間。コマクサ・イワギキョウ・ヨツバシオガマが稜線に咲き、コロナ観測所(3025m付近)や権現池・不消ヶ池など見どころが多い。乗鞍本宮が山頂に鎮座し、古くから信仰の山として知られる。スカイライン(松本側)とエコーライン(高山側)の2ルートでアクセス可能。山頂からは穂高連峰・槍ヶ岳・白山・御嶽山が一望できる北アルプス南部最高の展望台。
江戸時代から御嶽講による信仰登山が盛んで、今も多くの白装束の講者が登る霊峰(3067m)。2014年9月27日の水蒸気噴火で58名が犠牲となり、登山中の噴火としては戦後最大の被害をもたらした。王滝口・黒沢口(開田口)からの中〜上級向けコースで山頂の剣ヶ峰を目指す(往復約7〜9時間)。コマクサ・イワギキョウ・イワカガミが高山帯に生育し、山頂付近の二ノ池は日本最高所の高山湖(2905m)として知られる。御嶽山神社が山頂に鎮座し、覚明行者・普寛行者が開山した信仰の歴史は今も続く。快晴時には北・南・中央アルプスと富士山が一望できる。
溶岩台地上に広がる高原状の台地山で、王ヶ頭(2034m)を最高点とする。遊歩道が整備された初心者向けの山で、ニッコウキスゲ・レンゲツツジ・ヤナギランの高原のお花畑が初夏に美しく、牧場の牛が放牧される牧歌的な景観が広がる。王ヶ頭ホテルに宿泊して早朝の雲海・御来光を楽しむ観光登山が人気。松本市美鈴湖・三城登山口からの中級向けコースもある(往復約6時間)。電波塔群が林立する王ヶ頭の風景は独特で、晴天時には北アルプス・南アルプス・富士山・八ヶ岳・浅間山・御嶽山が一望できる360度の大パノラマが楽しめる。
車山(1925m)を最高峰とする広大な高原で、7月のニッコウキスゲの大群落は全国屈指の規模を誇り、一面が黄色く染まる光景は圧巻。車山肩からの初心者向けの散策路は往復約1時間から楽しめ、車山高原スキー場ロープウェイで山頂近くまで上がれる。霧に包まれた幻想的な景観が「霧ヶ峰」の名の由来。諏訪湖・八ヶ岳・南北アルプスが見渡せる絶景展望台で、グライダーの飛行地としても有名。八島ヶ原湿原(天然記念物)には多様な湿原植物が生育し、コバイケイソウ・ハクサンフウロ・マツムシソウが咲く貴重な湿地生態系が保護されている高原の名山。
「諏訪富士」とも呼ばれる八ヶ岳連峰北端の独立峰(2530m)。山頂直下の急斜面(将軍平付近から上)を越えると直径100mほどの広大な岩原が広がる独特の山頂部が特徴的。スズラン峠・女ノ神茶屋・竜源橋など複数の登山口から初〜中級向けのコースが整備され、コースタイムは往復約4〜5時間。諏訪大社との歴史的なつながりも深く、古代から諏訪の人々に信仰されてきた。コイワカガミ・シャクナゲ・コケモモが稜線を彩り、山頂からは八ヶ岳連峰全域・北アルプス・富士山が一望できる。北横岳(2480m)との縦走は中級向けの人気コース。
赤岳(2899m)を最高峰とする火山群で、コマクサの群落と岩稜帯が特徴的な中央高地の名山群。硫黄岳の爆裂火口(東西500mの壁)や横岳の鎖場・岩場など変化に富み、美濃戸口からの中〜上級向けコースはコースタイム1泊2日が標準。赤岳頂上山荘・赤岳鉱泉・行者小屋など山中の宿泊施設が充実し、年間を通じて登山者が多い。南八ヶ岳(赤岳・阿弥陀岳・横岳・硫黄岳)と北八ヶ岳(天狗岳・縞枯山)で自然環境が異なり、コマクサ・ツクモグサ(固有種)・オヤマノエンドウが稜線に咲く。冬期の積雪も多く、雪山登山の入門地としても人気が高い。
秩父の奥座敷に聳える鋭鋒で、アカヤシオが岩場を彩る春の花名所として知られる。八丁尾根コースは鎖場が連続する上級向け(コースタイム往復約7〜8時間)で、両神山は日本百名山中でも難易度が高い部類。日向大谷口からのコースは中級向けでコースタイム往復約7時間。両神山日野川水系の清流と深い谷が生み出す渓谷美も魅力で、日本武尊の剣がこの地に落ちたとの伝説から山名が付いたとも言われる。狛犬ならぬ狛オオカミが守護する両神神社が山頂直下に鎮座し、シャクナゲ・ヤシオツツジが岩場を彩る秩父の霊峰。
東京都最高峰(2017m)で奥多摩の盟主。東京・埼玉・山梨の三都県境に位置し、江戸時代から庶民の信仰登山が盛んだった歴史を持つ。鴨沢ルートは初〜中級向けで1泊2日が一般的(コースタイム往復約10時間)。ブナ・ミズナラの落葉広葉樹林が美しく、秋の紅葉は奥多摩を代表する景観。山頂からの富士山の展望が素晴らしく、丹沢・大菩薩・奥秩父の山々も一望できる。雲取山荘・三条の湯など山中に宿泊施設が充実し、石尾根縦走(奥多摩駅から石尾根経由)は上級向けの人気コース。ヘビイチゴ・アズマイチゲなど植物も豊富。
甲州・武州・信州三国の境に位置し、千曲川・荒川・笛吹川という三大河川の源流を持つ「水の山」。毛木平コースは中級向けで往復約8時間の充実したルート。近丸新道・徳ちゃん新道(西沢渓谷起点)は中〜上級向けで、多様なアプローチが楽しめる。シャクナゲが登山道を彩り、山頂の笹原から奥秩父の連峰(金峰山・瑞牆山・国師岳・甲武信岳)が一望できる展望台。奥秩父主脈縦走(雲取山〜笠取山〜甲武信ヶ岳〜金峰山)の核心部に位置し、シャクナゲの回廊は6月の開花期が圧巻。頂上付近の石楠花の群落と東・西破風山への縦走も楽しめる。
奥秩父の盟主として古くから信仰を集めた山で、山頂に聳える高さ15mの五丈石は信仰のシンボル。大弛峠(2365m)からのコースは初〜中級向けで往復約4時間と最も手軽。廻り目平からのルートは中〜上級向けで往復約7時間。甲斐金峰山と呼ばれ、金峰山神社が山頂に祀られる古来の霊峰。コマクサ・シャクナゲ・ミネズオウが稜線に咲き、岩稜帯の展望は抜群で富士山・南アルプス・北アルプスまで見渡せる。五丈石の垂直の岩壁はクライマーにも人気。奥秩父主脈縦走路(甲武信ヶ岳〜金峰山〜瑞牆山)の重要な一角を担う。
垂直に切り立つ花崗岩の奇岩群が天に向かって林立する奥秩父の名峰で、フリークライミングの聖地として名高い。瑞牆山荘からの中〜上級向けコースはコースタイム往復約5時間。里宮平〜天鳥川〜大ヤスリ岩直下を経て山頂へ至るルートは岩場・鎖場が多い本格的な登山。花崗岩の巨岩が林立する独特な景観は奥秩父随一の奇観で、大ヤスリ岩はロッククライマーの垂直な岩壁として有名。コケとシラビソ・トウヒの深山の雰囲気は関東の山とは思えない原始性を持つ。金峰山との縦走(富士見平小屋経由)が一泊二日の人気コースとして定着している。
中里介山の大河小説「大菩薩峠」の舞台として知られる甲州の名峰。上日川峠からの初〜中級向けコースはコースタイム往復約3時間と手軽で、富士山と南アルプスの展望が広がる稜線歩きが快適。大菩薩峠(2057m)〜大菩薩嶺(2057m)〜石丸峠の周回コースが最も人気で、笹原の稜線が美しい。ロッジ長兵衛(上日川峠)をはじめ周辺に山小屋が充実し、日帰りも宿泊も楽しめる。大菩薩湖(上日川ダム)・大菩薩の湯など観光施設も充実。ミヤマキンポウゲ・シモツケソウ・マルバダケブキが咲き、深田久弥も絶賛した展望の良さで知られる。
神奈川県最高峰(蛭ヶ岳1673m)を擁する山域の盟主的存在・丹沢山(1567m)で、首都圏から最も近い百名山の一つ。塔ノ岳(1491m)を経て丹沢山へ至るルートは中〜上級向けで、大倉尾根(バカ尾根)はコースタイム往復約8時間。ブナの原生林が発達し、ニホンジカの生息地として知られるが過剰な食害による植生破壊が深刻な問題になっている。シロヤシオ(ゴヨウツツジ)が5月頃に群落を形成し、山頂からは富士山・南アルプスが一望できる関東の名展望台。みやま山荘が山頂直下に立ち、縦走の拠点となる。
日本最高峰(3776m)にして世界文化遺産にも登録された信仰と芸術の象徴。富士山本宮浅間大社の御神体として古来から崇拝され、江戸時代には富士講(富士山を信仰対象とする民衆宗教)が全国に広まり、毎年大勢の信者が登拝した。吉田口・須走口・御殿場口・富士宮口の4ルートがあり、7〜9月の開山期間に集中して登山者が訪れ、年間登山者数は20万人を超える。コースタイムは吉田口で往復約10〜11時間。山頂火口(お鉢)の直径は約750mで、剣ヶ峰が最高点。コメバツガザクラ・フジハタザオなど高山植物も生育する。
伊豆半島の最高峰(万三郎岳1406m)で川端康成の小説「伊豆の踊子」の舞台として有名な名峰。アマギシャクナゲ(固有種)の群落が5月に見事な花を咲かせ、ヒメシャラの白い幹が特徴的な照葉樹林が広がる。天城縦走路(万三郎岳〜万二郎岳〜四辻)は初〜中級向けのハイキングコースとしてコースタイム約4〜5時間で人気が高い。天城高原ゴルフ場を起点に1周できる周回コースが一般的。伊豆スカイラインからのアクセスが便利で、コイワカガミ・アセビ・ヒメシャラが四季を彩る。山頂からは相模湾・富士山・南アルプスが望める。
中央アルプスの最高峰(2956m)で、千畳敷ロープウェイで標高2611mまで一気に上がれる人気の山。千畳敷カールのお花畑はコイワカガミ・ミヤマキンバイ・クロユリで彩られ、初〜中級向けのコースタイムは往復約3〜4時間。極楽平から宝剣岳(2931m)への岩稜歩きは中〜上級向けで鎖場が連続。伊奈川ダムや黒川平からの直登ルートは上級向けの長大なコース(往復約12時間)。木曽駒ヶ岳神社が山頂に鎮座し、古くから信仰の山として木曽・伊那の人々に崇拝されてきた。山頂からは北アルプス・南アルプス・富士山が一望できる中央アルプス最高の展望台。
中央アルプス南部に聳える岩稜の名峰(2864m)で、池山尾根コースは中〜上級向けの長大なルート。コースタイムは往復約12時間の健脚向けで、駒峰ヒュッテ(山頂直下)が宿泊拠点。花崗岩の白い山肌と岩稜帯が続く山容は中央アルプス随一の岩峰として登山者を魅了する。コマクサの大群落が山頂付近に広がり、ライチョウも生息する中央アルプス屈指の高山環境。木曽駒ヶ岳への縦走(宝剣岳・三沢岳経由)は上級向けの難コースで、中央アルプス縦走路の核心部を形成する。山頂からは南アルプス・北アルプス・富士山が一望できる絶景展望台。
日本書紀に「胞衣(えな)を納めた山」として登場する神話ゆかりの名峰(2191m)で、古くから信仰を集めた歴史を持つ。神坂峠からの中級向けコースは往復約6時間で最も利用される。広河原コースは中〜上級向けで往復約9時間。山頂付近にはオオシラビソ・トウヒの深い針葉樹林が広がり、展望小屋(山頂)からは晴天時に富士山・中央アルプス・南アルプス・白山が見渡せる。古代東山道(神坂峠)が恵那山の直下を越えており、万葉集にも「あしひきの山(恵那山)」と詠まれた歴史ある山。中央アルプス南端に位置し、長野・岐阜両県の人々に親しまれる。
南アルプス北端に聳える白い花崗岩の鋭峰(2967m)で、黒戸尾根コースは2200m以上の標高差を誇る日本屈指の急登として知られる上級者向けルート(往復2泊3日)。北沢峠からは仙水峠を経由する中〜上級向けコース(往復約7時間)で、双児山コースも人気。古くから甲斐駒ヶ岳神社・駒ヶ岳神社の御神体山として信仰を集め、七丈小屋(黒戸尾根)が山中唯一の宿泊施設。花崗岩の白い山肌と摩利支天の岩峰が特徴的で、山頂からは北岳・仙丈ヶ岳・富士山・八ヶ岳が一望できる南アルプス北部随一の展望台。
「南アルプスの女王」と称される優美な山容(3033m)が魅力。仙丈カール・小仙丈カール・藪沢カールの三つのカール地形が発達し、ハクサンイチゲ・コイワカガミ・タカネグンナイフウロなど豊富な高山植物が咲く花の名山。北沢峠からの中〜上級向けコースはコースタイム往復約7〜8時間。小仙丈ヶ岳(2864m)を経由する尾根コースが一般的で、仙丈小屋(山頂直下)での宿泊も可能。山頂からは甲斐駒ヶ岳・北岳・富士山・中央アルプスが一望できる絶景展望台で、初夏から夏にかけての花の多さは南アルプス随一と称される。
地蔵岳(2764m)・観音岳(2840m)・薬師岳(2780m)の三峰からなる南アルプスの名峰で、地蔵岳頂部に聳えるオベリスク(石英閃緑岩の岩塔)が象徴的。古くから鳳凰三山として信仰を集め、地蔵岳には地蔵菩薩の石像が多数安置される。青木鉱泉からのドンドコ沢コースは滝が美しい中〜上級向けで往復約10時間、夜叉神峠からの中〜上級向けルートもある。コマクサ・タカネビランジ(固有種)・ハクサンイチゲが稜線を彩り、山頂からは甲斐駒ヶ岳・北岳・富士山・八ヶ岳の大パノラマが広がる南アルプス東部の名展望台。
富士山に次ぐ日本第二位の高峰(3193m)で、固有種キタダケソウ(5〜6月に白い花を咲かせる)をはじめハクサンイチゲ・キタダケキンポウゲ・タカネグンナイフウロなど希少な高山植物が多数生育する花の名山。広河原(1520m)からのバスアクセスが一般的で、白根御池経由の草すべりコースか右俣コースで山頂を目指す中〜上級向けのルート(往復約10時間)。北岳山荘での宿泊が一般的な1泊2日コース。北岳バットレスは日本有数の大岩壁でクライマーの聖地。山頂からは富士山・甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳・間ノ岳の白峰三山が一望できる。
日本第三位の高峰(3190m)で白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)の中央に位置する。北岳山荘を経由する縦走は上級向けで、北岳からの縦走コースタイムは片道約4時間。広大な山頂部は「天空の庭」とも呼ばれ、好天時には南アルプス最高の展望台となる。ハクサンイチゲ・ミヤマキンバイ・コバイケイソウが山頂付近に咲き、イワヒバリ・ライチョウが生息する。農鳥岳(3026m)まで縦走し奈良田へ下る白峰三山縦走(2〜3泊)は南アルプスのハイライトコースとして知られる上級者向けの縦走路。最高峰部周辺は平坦で広大な山頂台地が広がる。
南アルプス中部の秘峰(3052m)で、赤石岳や荒川岳と並ぶ南アルプスを代表する峰の一つ。最短でも往復12時間超の上級向けで、鳥倉(豊口山)登山口からの長大なアプローチが「最もハードな百名山」とも評される所以。三伏峠(2615m)を経て本谷山・塩見岳へと続くコースタイムは2泊3日が標準。塩見小屋が山中の宿泊拠点。東峰(3052m)・西峰(3047m)の双耳峰で、山頂からは北岳・間ノ岳・荒川三山・赤石岳・光岳の南アルプス全域が一望できる絶景展望台。タカネツメクサ・ライチョウが生息する高山帯が発達。
荒川三山(悪沢岳3141m・中岳3083m・前岳3068m)の最高峰で南アルプス第三位の高峰。東洋のアルプスと称される荒々しい岩稜帯が続き、千枚岳(2880m)を経由する上級向けの縦走コースは1泊2日以上が標準。椹島ロッジを拠点に千枚小屋で1泊し山頂を目指すのが一般的。コイワカガミ・ハクサンイチゲ・ミヤマキンバイが稜線に咲き、ライチョウが生息する。山頂からは赤石岳・聖岳・富士山・南アルプス全域の大パノラマが広がる。荒川前岳から赤石岳への縦走は南アルプス縦走の核心部として上級者に人気のルート。
南アルプス(赤石山脈)の名の由来となった山(3120m)で、山腹に露出する赤色チャート層(ジュラ紀の海底に堆積した放散虫の化石)が特徴的な赤い岩肌を形成する。ウスユキソウ・コマクサ・イワベンケイなど豊富な高山植物が咲き、椹島からの上級向け縦走はコースタイム2泊3日以上が必要。赤石岳避難小屋が山頂に近接し宿泊が可能。山頂からは悪沢岳・聖岳・光岳・塩見岳の南アルプス全域と富士山が一望できる絶景展望台。百間洞山の家を利用した百間平経由コースは変化に富んでいる。南アルプス縦走路の中心に位置する重要な拠点の山。
南アルプス南部の盟主(3013m)で、「聖」の山名は仏教・修験道に由来するとされる信仰の山。便ヶ島からの長大なアプローチを含む上級向けコースが一般的で、聖平小屋(2350m)に宿泊し翌日山頂を目指す1泊2日のコースが標準(往復約14時間)。コースタイムは往復で2泊3日が安全。聖沢・聖平のお花畑はハクサンイチゲ・ニッコウキスゲが咲く南アルプス随一の広大なお花畑として知られる。山頂直下の東尾根の急登が核心部で、ライチョウが生息する高山帯が発達する。山頂からは赤石岳・上河内岳・光岳が一望できる。
南アルプス最南端の百名山(2591m)でライチョウ生息地の最南限として知られる。山頂付近のテカリ石と呼ばれる白い花崗岩が白く輝くことが山名(光岳)の由来とされ、茶臼岳への縦走を含む上級向けコースは2泊3日が標準。易老渡登山口からのコースタイムは往復約16時間以上で、易老岳・静高平を経て山頂へ至る。光岳小屋(山頂直下)が宿泊拠点。聖沢を挟んで向かい合う聖岳との縦走が上級向けの醍醐味。南アルプス深南部の深い原生林に覆われ、コウヤスミレ・ホソバシュロソウなど植物種が豊富。南端の秘境ならではの静寂な山。
富士山・立山とともに日本三霊山に数えられ、白山比咩神社の御神体山として718年・泰澄大師の開山以来1300年以上の信仰登山の歴史を持つ。砂防新道・観光新道など複数のルートが整備された中〜上級向けの山(コースタイム往復約10時間)。高山植物の宝庫でハクサンコザクラ・ハクサンフウロ・クロユリ・ハクサンチドリなど白山の名を冠する植物が多数分布し、高山植物の種類は日本随一とも言われる。御前峰(2702m)・大汝峰・剣ヶ峰の三峰からなる白山最高点は御前峰。七倉山荘・室堂平が宿泊・休憩拠点となり、お池めぐり(紺屋ヶ池・翠ヶ池・血の池)が山頂の人気散策コース。
「福井の屋根」と呼ばれる北陸唯一の百名山(1524m)で、荒島神社の御神体山として古くから信仰される霊峰。中出・勝原・シャクナゲ平・佐開コースが整備されており、最短の勝原コースはコースタイム往復約7時間の中〜上級向け。「もちがかべ」と呼ばれる急斜面が核心部で、鎖場が続く本格的な登山道。ブナの原生林を抜けるルートは季節ごとに表情が変わり、秋の紅葉は特に美しい。山頂からの白山の眺望は「白山展望台」と称されるほど素晴らしく、晴天時には大日山・経ヶ岳・能郷白山まで見渡せる。周辺の九頭竜湖・大野市が登山前後の観光スポット。
日本最多積雪記録(11m82cm、1927年)を持つ豪雪の山(1377m)で、薬草の宝庫として万葉集・古事記・日本書紀にも登場する歴史ある名峰。山頂部には固有種イブキジャコウソウをはじめイブキハタザオ・イブキトラノオなど多くの固有植物が生育し、高山植物の種類は200種以上。3合目まで自動車道が通じ、そこから山頂まで初〜中級向けのコースタイムは往復約4時間。古くから伊吹山神社(弥高寺)への信仰登山が行われ、ヤマトタケルノミコトの伝説(白い猪との戦い)にも登場する。山頂からは琵琶湖・鈴鹿山脈・白山・能登半島が一望できる絶景展望台。
年間降水量5000mm(最多8000mm超)を超える日本有数の多雨地帯に位置する台地状の山(1695m)で、大台ヶ原ビジターセンターから整備された遊歩道が伸びる初〜中級向けの山。東大台(正木嶺・日出ヶ岳・大蛇嵓)コースはコースタイム約3〜4時間。日本最大の原生的なウラスギ・ヒノキ林が広がるが、台風の頻繁な被害とニホンジカの食害による植生破壊が深刻な問題となっている。大蛇嵓(巨大な岩盤)は南斜面を見下ろす絶景スポットとして有名。正木ヶ原の立ち枯れた木々の景観は荒涼とした独特の雰囲気を持ち、シオカラ谷の渓流も美しい大台ヶ原山上の秘境。
役行者(役小角)が7世紀に開いた修験道の根本道場で、吉野・大峰として世界文化遺産(紀伊山地の霊場と参詣道)にも登録された霊峰。山上ヶ岳(1719m)は今なお女人禁制が続く日本唯一の修験の聖地で、山伏の白装束姿が今も絶えない信仰の山。洞川温泉から山上ヶ岳へのコースタイムは往復約5〜6時間の中級向け。稲村ヶ岳・大普賢岳・弥山・八経ヶ岳(1915m・近畿最高峰)を含む大峰山脈は総延長60km以上の修験の峯入り修行の地。オオヤマレンゲ(天然記念物)の群落が弥山・八経ヶ岳に咲き、シオカラ谷の清流と原生林が続く深山の佇まいが印象的。
「伯耆富士」と称される中国地方最高峰(1729m)で、北壁の荒々しい断崖(地獄谷)と南面の豊かなダイセンキャラボク(天然記念物)の純林が対照的な大山独特の二面性が魅力。大山寺・大神山神社が山麓に鎮座し、古来から信仰の山として崇拝されてきた歴史を持つ。夏山登山道(南壁6合目から尾根へ)は中級向けでコースタイム往復約4時間、元谷コースも人気。北壁稜線(ユートピアコース)は崩落が激しく通行禁止区間がある。ブナ林・ダイセンキャラボク・ヒルギ群落が豊かな植生を形成し、山頂からは日本海・隠岐の島・蒜山三座が一望できる。
四国第二の高峰(1955m)で西日本有数の高山植物の宝庫。ミヤマクマザサの群落が広がる山頂部の平坦な笹原から四国山地の山々を一望できる絶景展望台。見ノ越からのリフトを利用すれば山頂直下まで上がれ初〜中級向けのアクセスが容易(コースタイム往復約3時間)。剣神社への信仰登山の歴史は古く、槍戸山・次郎笈(1930m)への縦走も人気。ツルギハナウド・剣山固有のギボウシ類など希少植物も見られ、ブナ・ミズナラの落葉広葉樹林が山麓部に広がる。次郎笈(じろうぎゅう)からの剣山の眺望は四国随一と称される絶景で、笹原の稜線歩きが快適な山。
西日本最高峰(天狗岳1982m)にして四国修験道の総本山・石鎚神社の御神体山。天狗岳の岩峰へ至る鎖場(試しの鎖65m・一ノ鎖33m・二ノ鎖65m・三ノ鎖68m)は修行の場として崇拝され、7月1日の山開き大祭には多くの白装束の信者が登拝する。ロープウェイで成就社(1450m)まで上がれ、そこからコースタイム往復約5時間の中〜上級向けコース。石鎚スカイライン経由の土小屋登山口コースも中〜上級向けで往復約6時間。シコクフウロ・石鎚特有のイシヅチザクラ・コメツツジが豊かに生育し、天狗岳山頂からは瀬戸内海・四国山地が一望できる絶景展望台。
久住山(1787m)を主峰とする九州最高峰の火山群(九重山系)で、ミヤマキリシマが6月に山肌を朱色に染め上げる九州随一の花の山。牧ノ戸峠(1330m)からの初〜中級向けコースはコースタイム往復約5時間で、多くの登山者が訪れる人気の山。中岳(1791m・九州最高峰)・天狗ヶ城・星生山など複数のピークへの縦走が楽しめる。坊ガツル湿原(ラムサール条約登録地)ではハルリンドウ・ヒゴタイが咲く貴重な湿原生態系が保全されている。法華院温泉山荘(1303m)は九州最高所の山小屋として人気。指定国定公園の自然環境の中でライチョウに似たシギのような珍鳥も生息する。
九州山地の盟主(1756m)でニホンカモシカが生息する原生林が残る秘境の山。北谷(宮崎県)・尾平(大分県)など複数の登山口からの中〜上級向けコースが整備され、コースタイムは往復約7〜9時間。神原コース・北谷コースが一般的で、傾山・大崩山とともに「九州三峰」の一角を占める修験道ゆかりの信仰の山。祖母山神社が山頂付近に鎮座し、役行者が修行したとの伝説も残る。ブナ・ミズナラの原生林が美しく、キレンゲショウマ(夏・大分県天然記念物)・コケイラン・ユキワリイチゲなど希少植物が生育する。山頂からは阿蘇山・九重山・傾山が一望できる大展望台。
世界最大級のカルデラ(東西18km・南北25km)を持つ活火山群で、中岳(1506m)は今も頻繁に噴火を繰り返す九州を代表する活火山。阿蘇山最高峰は高岳(1592m)で、仙酔峡から東峰コース(中〜上級向け、往復約4時間)や砂千里ヶ浜経由コースが整備されている。火口見学は活動状況による規制があり(火山ガス危険地帯)、草千里ヶ浜の広大な草原と烏帽子岳(1337m)のミヤマキリシマが美しい。阿蘇神社(水波能売神)は全国に500社ある阿蘇神社の総本社。カルデラ内の五岳(高岳・中岳・根子岳・烏帽子岳・杵島岳)への縦走は変化に富んだ中〜上級向けコース。
韓国岳(1700m)を最高峰とする九州南部の火山群で、坂本龍馬・お龍が日本初の新婚旅行として訪れた歴史で知られる(1866年)。ミヤマキリシマが5〜6月に山肌を赤く染め、えびの高原(1200m)を起点とする韓国岳への初〜中級向けコースはコースタイム往復約4時間。新燃岳(1421m)は2011年に大規模噴火を起こし、立入規制が続く区域がある。高千穂峰(1574m)は「天孫降臨」の地とされるニニギノミコトゆかりの神話の山で、霧島神宮の御神体。霧島温泉郷(丸尾温泉・硫黄谷温泉など)が登山後の湯治に最適な名湯として多くの登山者に親しまれている。
「薩摩富士」と呼ばれる薩摩半島南端の端正な円錐形の独立峰(924m)で、海に向かって裾野を広げる美しい山容が特徴。螺旋状に山頂を目指す登山道(2合目〜山頂)は中級向けでコースタイム往復約5時間。登山口は2合目(ふれあい公園)と5合目(開聞公園)があり、5合目からは往復約3時間で登れる。山頂からは枕崎・指宿・竹島・薩摩半島の全景と天気が良ければ屋久島・種子島まで望める絶景が広がる。ツワブキ・リュウキュウチク・ヤクシマカラスザンショウが山肌を覆い、亜熱帯性の植生が本土の山とは異なる特徴を示す。開聞岳は万葉集にも詠まれた歴史ある薩摩の名峰。
屋久島および九州の最高峰(1936m)で、樹齢7200年超とも言われる縄文杉をはじめ屋久杉の巨樹林が生育する世界自然遺産・屋久島の象徴。ヤクスギランドから縄文杉・宮之浦岳へ続くルートは上級向けでコースタイムは1泊2日以上(荒川登山口から往復約16時間)。淀川登山口からの日帰りも可能(往復約10〜11時間)だが体力的に上級レベル。屋久杉の巨樹林(スギ・モミ・ヤクシマシャクナゲ)から亜高山帯のヤクシマシャクナゲのお花畑へと続く植生の垂直分布が豊か。ヤクシカ・ヤクサル・ウミガメが生息する固有の自然生態系が保護され、島全体が世界自然遺産(1993年登録)に指定された屋久島の最高峰。